2016
黄昏れよりも暗きもの
デッドストックな夜明け
はじめもおわりもここに或る
そうして僕ら確かな寂しさのなかで息をする
悲しいことがひとつもないと泣く人
欠けたルビー閃いて夜
ぼくの孤独が冷たくなるとき世界が平和でありますように
燃えているのは過去か未来か
損なわれるために生まれてきた
瞼と瞼でさようなら
正確に狂った笑顔の向こう、八月の朝ぼらけ
五本指の標本
三千と一日後の炎
センチメンタルを剥ぎ取った瞼から青春の二文字が零れ落ちるまで
およそ愛せぬものはない
もう手遅れな瞼に夕暮れの赤を刺す
指先が密やかに眠りにつくころ
植物園にて流れ星の会
暮れの国、さようならを知らない僕らの棲家
世界が終わる日の一等美しい君の横顔
三日月に生まれて満月に散る
おいしい空想
眠れぬ夜のオーフィリア
秋の夜長にて静寂を語らう
最高密度の青で満たして
わたしの海へいらっしゃい
とどめの魔法
きみのひらがなではくしにかえして
変光する偽世界より
ヴィラ・シャンゼリゼの顔のない住人たち
真っ青な嘘を剥がしたら
champagne gold
夜のひだまりに種を植え、きみの芽吹きを待っている
朝焼けを閉じ込めた角部屋で僕ら何度もさよならをした
縫合された楽園
もうひと匙の幸福
お望みのままに与えよう
夜明け前のそれから
コンクリートの暗がりに世界の終わりを見る
振りかぶってキラーチューン
扉は閉めないで夜が死んでしまうから
ワンカラットエレジー
すみれいろに焚べる
3回転とひとひねり、君が笑った青い春
殺しても殺しても夏
静寂のうちに終える初犯
死してなお夜は深い
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