2019
エッシャーの絵に落ちていく感覚で君を見つめていた
ミラーボールサマーハズカム
オーロラの群がる処を僕の死地とする
決してふたりのものにならない秘密
しあわせの在り処を星とおまえだけが知っていたね
愛と矛盾の美味しい食卓
わたしのほろこびを繕う人よ
すべての季節を忘れるくらいの整然とした朝を待っている
恋も憂いも解けるな光
アガパンサスの咲く揺りかご
シャイニーグレイ
バックミュージックは弾けゆく星たちの咆哮
傾けど落ちない夜明け
暮れない色
あなたの横顔を見つめるとき頭の端で遠雷が聞こえる
よふかしのメソッド
書き出しだけが誠実な最終回
君ってメロンクリームソーダのさくらんぼみたいだ
メロウ仕立ての備忘録
メランジニットに三日月を隠して
どれほどのロマンチックが君を襲おうとも
くつ下は片方を失くしてからが本当の姿のような気がして
腐りかけの夜とアップルパイの類似性
おとぎは伏して午前零時
壊死した瞼で見た夢
ほどけあう銀河であなたとわたし
秒針が散らす幸福
どうしても振られたい夜の短編集
会いたいはいつもフォルテシモ
ティーンエイジャーの末裔
紫陽花の鳴き声を聞く夜更け
あなたと手折った夜が爆ぜるまで
まぼろしと見まごう秋
冬の花火、心臓が散る音に似て
退屈な夜のための背徳
もう何処へも行かないでって君の睫毛が羽ばたいた
新調した孤独で襟を正して
ノンフィクションを煮詰めたら
ゆるしゆるされ果ての国
辞書にも載らない一切のことを貴方としたい
彼の星を落とした眼差しはヴィオレ
進んで落ちるは君の奈落
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